交通事故の当事者となってしまった場合、とくに、被害者となったときは、相手方の加入する保険会社との交渉をする必要が生じる場合があります。
弁護士費用特約に加入している場合など、交渉を弁護士に任せることができる場合は問題となりませんが、自分で交渉する場合は、
専門的な知識の差
により、不利な立場となる場合があります。
そのようなときに備えて、普段から交通事故に関する情報にアクセスしたり、プロの弁護士の交渉テクニックなどを学んでみるのも有効かもしれません。
本日は、交通事故の裁判で、多くの弁護士が主張する
「自賠責法3条」について紹介します。
■損害賠償請求の基本
交通事故に限らず、インターネット業者などとのトラブルなどで、
「損害賠償請求してやる!」
「慰謝料請求するぞ!」
などと、語気を強めてしまっているのを見かけます。
通常、「損害賠償請求」という言葉を使う場合、
不法行為に基づく損害賠償請求権
のことを意味します。
ここで、不法行為による損害賠償は、
「故意または過失によって、
他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、
これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
と民法709条に規定されているものです。
そして、不法行為が成立するための要件(必要な条件)は、
1. 権利侵害行為があったこと
2. 故意(わざと・意図的)または過失(不注意・うっかり)があること
3. 損害が生じていること
4. 損害と権利侵害行為に"因果関係"があること
の4つになります。
そして、不法行為があったことを立証しなくてはならないのは、
被害者側
となります。
たとえば、隣家のピアノの騒音で健康を害してしまった場合、
1. 隣家から騒音があり、とても耐えられないほどの騒音だったこと
2. 隣家の人が、わざと、あるいは不注意で騒音を出したこと
3. 健康を害している事実
4. 健康を害したことと騒音との因果関係
を"被害者"が立証しないと損害賠償請求が認められません。
これを、交通事故にそのまま置き換えると、交通事故の被害者は、
1. 権利の侵害があったこと
2. 相手のドライバーに故意または過失があること
3. 損害(物損、怪我など)があること
4. 交通事故による損害であること
を"被害者"が立証しなくてはなりません。
それでは、あまりにも交通事故の被害者に酷である、ということで存在するのが
自賠責法3条
になります。
■自賠責法3条とは?
自賠責法3条では、"一定の場合"以外の交通事故については、
事故の損害を賠償しなくてはならない(被害者の立証が不要)
と規定されています。
ここで、一定の場合とは、
1. 運行供用者と運転者が無過失であること(不注意がなかったこと)
2. 被害者または第三者による故意または過失があったこと
3. 自動車に構造上の欠陥や機能の障害がなかったこと
になります。
※機能の障害:自動車のハンドル、ブレーキなどの機能
つまり、1~3の3点について加害者が立証しない限り、交通事故の損害賠償責任から免れることができないこととされています。
このことを自賠責法3条の
「免責3要件」などと言うことがあります。
そして、交通事故の裁判などになったときに、被害者側の弁護士が
「責任について争うつもりなら、自賠責法3条の免責3要件を証明しなさい!」
と言うことがあるそうです。
自動車同士の交通事故の場合は、被害者側の過失割合なども問題になりますが、歩行中の交通事故で被害にあったときなど、使えるケースがあるかもしれません。
このように、損害が発生したときの加害者の責任を重くしたものを
「特殊不法行為」と言います。
交通事故以外の問題では、
・民法上の使用者責任(民法715条)
・ペットの飼い主などの責任(民法718条)
・製造者としての責任(製造物責任法・PL法)
などがあります。
しかし、それ以外のほとんどのケースでは、
「被害者に立証責任がある」という点は、覚えておいた方が良さそうですね!
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【参考リンク】
民法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html
自動車損害賠償保障法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO097.html
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Posted at 2013/04/29 01:01:35 | |
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