自動車を購入する場合、「新車」あるいは「中古車」で購入することになりますが、トラブルが生じてしまうのは、
中古車で購入した場合!
しかも、
「現状渡し」の中古車の場合
ではないでしょうか?
一般的な「現状渡し」のイメージは分かりませんが、販売業者側の主張は、通常、
「当然、ノークレームでね♪」
というスタンスであると思われます。
しかし、「現状渡し」で購入したものの、その後、トラブルが頻発してしまったときは、
「修理代、負担してよ!」
「何とかならないものか・・・」
と困ってしまいますね。
本日は、「現状渡し」の中古車にトラブルが生じた場合の責任の範囲について説明したいと思います。
■「現状渡し」とは?
まず、「現状渡し」の中古車は、
「保証はしません!」
「整備もしていません!」
「このままの状態で良ければどうぞ!」
という印象がありますが、
そうではありません。
公正競争規約などの定義では、「保証なし」に該当すると思われますが、その中でも
「整備をせずに、保証もない」中古車が「現状渡し」という表現になっているようです。
「保証なし」あるいは「現状渡し」という表現で販売した場合でも、販売店は「全く責任を負わない」ということではありません。
そのため、
「整備はDIYでするから、このままの状態で販売して!」
と頼んでも無理な場合が多いのは、このような背景があるからです。
■どのような場合に修理してもらえるか?
それでは、「現状渡し」で購入した中古車に「気付かなかった欠陥」があった場合に、「販売店に無償修理をしてもらえるか?」が気になると思います。
この場合に問題となるのは、民法の
「瑕疵(かし)担保責任」となるかどうかがポイントになります。
瑕疵担保責任は、簡単にいうと
「隠れた欠陥について、販売店が負うことになる責任」のことです。
そして、瑕疵担保責任が認められる要件としては、
・買主が、通常の注意をもっても知ることができない欠陥
・買主が、その欠陥について知らなかった
・買主には、過失がないこと
・自動車としての品質・性能に大きな影響を及ぼしていること
などがあります。
通常、「現状渡し」で購入する中古車には、その中古車の状態を示す
「車両状態評価書」が交付されます。
この車両状態評価書に記載されている欠陥については、「買主も知っていた」ことになりますので、販売店に責任を追及することはできません。
つまり、「現状渡し」の中古車を購入後、「通常生じないと思われる故障」が発覚した場合、民法570条の瑕疵担保責任を根拠に対応を求めていくことは可能と思われます。
■現実問題として「現状渡し」を考えてみると
このように、中古車販売店にとって「瑕疵担保責任」は非常に大きな負担となる責任になります。
これを「責任があるのは販売店側だから(怒)」と徹底抗戦することも1つの方法ですが、修理費用について協議していくこともできます。
極端に販売店側の責任を追及した場合、
・中古車価格の高騰(高い利益を出さないと、危険で売れない!)
・下取り価格の下落
が生じることで、社会的な損失が大きくなりすぎる危険性があるような気がします。
もちろん販売店側が「瑕疵担保責任」について不勉強である場合もありますので、「現状渡し」で生じうるトラブルについて、
「販売店も消費者も、よく知っておくこと」が重要なことだと思います。
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【参考リンク】
中古車取引にかかわるトラブル「国民生活センター」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20040804_2.pdf
カーセンサー [現状渡しでのトラブルはどうしたらいいの?]
http://www.carsensor.net/contents/horitsu/category_32/_1044.html
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Posted at 2013/04/01 01:01:50 | |
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