2013年04月26日
片手運転が道交法違反になる場合、ならない場合

自動車を運転するときは、ハンドルやブレーキなどの操作を確実に操作できる状態で運転しなければならないと言われています。

これは、道路交通法70条の「安全運転義務」に規定されているもので、これに違反するものは、よく言われる

安全運転義務違反

による違反となります。





安全運転義務違反は、「どのような行為が該当するのか?」という点が分かりにくいものとなり、普段は、違反行為として余り認識されないものだと思われます。


本日は、安全運転義務違反となりうる「片手運転」について紹介します。



■片手運転で安全運転義務違反となった事例

岩手県遠野市に「遠野簡易裁判所」があります。

この簡易裁判所で昭和40年に行われた裁判で、片手運転が安全運転義務違反と判断された事例があります。





安全運転義務違反とされた事件は、

・ハンドルから左手を離した状態
・左官用こて、左官板を持った状態
・混雑した交差点を右折
・時速は20キロ

の状態であったそうです。


左官用のこてではなくても、

・買い物したときの「買い物袋」
・バッグなどの荷物


を左手で持ってしまったり、押さえるようにしてしまうことはあると思います。


このような運転をすると、安全運転義務違反となる可能性があります。



■安全運転義務違反とならなかった事例

次は、普通自動二輪車の事例になります。



安全運転義務違反とならなかった事例は、

・右手でハンドル操作
・左手に出前箱
・正確なハンドル操作ができない状態
・急停止もできない状態

になります。


先ほどの、「左官用こて」の件と比較して、危険性が高いように思われますが、安全運転義務違反とはならなかったようです。



■安全運転義務違反による交通事故は、全体の7割

平成16年の少し古いデータになりますが、事故発生件数における「安全運転義務違反」の割合が確認できるデータがあります。





このデータは、財団法人 交通事故総合分析センターによるものですが、平成16年に発生した90万1119件の事故のうち、安全運転義務違反が原因となるのは、

66万2060件(全体の73.47%)

になります。


つまり、交通事故の当事者になりたくないと思う場合は、安全運転義務違反とならないように気をつけ、その上で、

・交差点を安全に通る
・一時停止を確実に
・信号は確実に守る

を通常よりも意識して運転する方が良いとも考えられます。


今回は、片手運転が例となりましたが、その他の安全運転義務についても注意するようにしてください。



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【参考リンク】

道路交通法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO105.html

弁護士 谷原 誠 ブログ [過去の判例などを参考にさせていただきました]
http://blog.giron.jp/archives/51899626.html

ITARDA No.59
http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info59.pdf

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Posted at 2013/04/26 01:01:08 | コメント(3) | トラックバック(0) | コラム | イベント・キャンペーン