2012年10月24日
静止ホイールの謎


最近では、見かけることが少なくなってきましたが、タクシーのホイールなどに"広告"が取り付けられているのを見かけたことがあります。



始めたみたときには、ホイールとともに回転することなく、低速走行でも高速走行でも同じ位置に固定されているホイールカバー(?)に不思議な感覚を覚えています。

このホイールカバーは、一般的には「静止ホイール」と呼ばれているもので、兵庫県のパスカル研究所が特許を申請したものとなっています。

実際に販売されたのは、2000年からのことですが、その後に「神戸エコカー」と合併し、神戸エコカーパスカル研究所となるも、2002年4月に経営破たんしてしまったそうです。

しかし、現在でも兵庫県明石市で研究開発が継続されていて、一部のバスやタクシー・自治体などで採用されています。





この静止ホイールが「なぜ静止していられるのか?」という点に興味があると思いますが、低速走行時・高速走行時の2つに分けた工夫がなされています。


まず、基本的にホイールの回転が伝わらないように、ホイールとホイールキャップの間に"ベアリング"が仕組まれているのは想像できると思いますが、どのように上下左右を固定しているかの紹介をします。




まず、低速走行時には、ホイールキャップ裏側にある「重り」によって、バランスが保たれています。
低速走行時では、風による影響も少ないので、クルクルと回転しない程度の重さが考えられているようです。





そして、スピードが上がってきたときには、風による影響を無視することができなくなってきますので、風の流れをコントロールすることで、上下左右を固定することができるものとなっています。





画像をよく見て頂くと分かるように、進行方向と逆の方向に「空気の出口」があるのが分かります。

この空気の出口があることで、風の力によって水平を保とうとする力へと変化させているところに工夫があります。


このホイールを利用した広告媒体を開発したのは、岡本好晃氏になりますが、静止ホイール以外にも数多くの特許を取得している「発明家」としても知られています。

経営破たん後の現在でも、パスカル研究所という所で活躍を続けていますので、気持ちだけでも応援していきたいと思います。



パスカル研究所
http://www.pascap.net

Wikipedia [静止ホイール]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E6%AD%A2%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB
Posted at 2012/10/24 01:01:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | コラム | イベント・キャンペーン