2013年08月26日
「誰かに迷惑かけてます?」シートベルト未着用で、迷惑をかけられる人とは?


スピード違反や迷惑駐車などが禁止されているのは、その行為によって「誰かに迷惑をかけてしまうことになる」というのが1つの理由です。

スピード違反により、自動車のコントロールを失ってしまうと

・他人を死傷させてしまう
・他人の所有する物を壊してしまう


というように、人に迷惑をかけることが分かりやすい違反です。



同じように、迷惑駐車についても

・緊急自動車が通行できない
・渋滞の原因になる


などの理由で、人に迷惑をかけてしまうことが簡単に分かります。


本日は、「シートベルトをせずにケガをしたとしても、誰にも迷惑をかけない」というのが本当なのか、という点を考えてみたいと思います。


諸外国でのシートベルト事情は?



個人の自由意思を尊重する国といえば、やはりアメリカをイメージする人が多いと思われます。

アメリカでは、州によって法律が異なりますが、シートベルトに関しては、

前部座席については、シートベルト着用が義務

となっています。


ヘルメットをかぶらずにバイクに乗ることができる州があることを考えると、シートベルト着用についての意識はとても高いことが分かります。


各国のシートベルト事情については、FIA基金が2009年に発表した
「Seat Belts and Child Restraints: a road safety manual」
というレポートがありますが、JAFのサイトでも紹介されていますので、興味のある方は、下記のリンクよりアクセスしてみてください。


FIA基金のデータによると、シリアやモナコを除く、ほとんどの国でシートベルトの着用義務がされていることが分かります。

シートベルトの着用について、「なぜ、国による規制が必要なのか?」と感じている方もいるかもしれませんが、順を追って説明してみたいと思います。


誰にも迷惑をかけていない、という論理は?



まず、シートベルトを着用することで、重大事故のときでも

大けがや死亡を回避することができる可能性が高まる

というメリットがあります。

それにもかかわらず、シートベルトを着用するかどうかは、

個人の自由意志である

という主張があるのも事実です。


この場合、シートベルトをするかどうかは、

・自分がどのような服を着るのか?
・愛車のドレスアップに、どのパーツを選択するか?


という選択と同じように

・自分自身が危険になるのだから、シートベルトを着用するかどうかは自分で決める!

と考えているようです。


安全上、必用性を感じた人は着用すればいいし、必要がないと思っている人はしなくても良い。この件に関して、国が規制をかけるのは、個人の自由意思を無視したものである、ということになります。


他の規制と比べて考えてみます。



「これは、個人の問題だ!」と主張されることがある他の問題について、規制されている理由について考えてみます。

たとえば、「たばこの喫煙場所」を国や県・市区町村で規制する場合があります。

たばこの喫煙場所を規制する理由は、一般的に

・個人に嫌煙権(たばこの煙が嫌いである人が喫煙規制を訴える権利主張のこと)があると考えられている
・受動喫煙による健康被害が認められていること


などです。

これらの喫煙者以外の人に及ぼす「害・損害」があることで、国や県・市区町村が規制をかけることに意味があると考えられています。


別の問題では、「未成年者の喫煙や飲酒」という問題もあります。

この問題を規制する意味は、

・弱者救済

という観点が大きくなります。


未成年者が喫煙や飲酒をすることによる健康被害は、未成年者本人が正しく評価できるとは限りません。

そのため、国が関与して規制をかけることで、未成年者を守ろうというのが規制されている理由になります。

このように、「本人の自由」と考えられている問題でも、実は、その背景に規制をかける目的や意味があることがほとんどです。


では、シートベルトに規制をする意味とは?



「シートベルトをしなくても、誰にも迷惑をかけないでしょ?」と言われると、なかなか説明が思いつかないことが多いものです。

事故が起きてケガをするのは本人ですし、一見、誰にも迷惑をかけていないように感じます。


しかし、シートベルト未着用で"大けが"をしてしまった場合、



上の画像のように、事故発生後、

・救急搬送が必用
・治療に健康保険や任意保険を使う


ことになりますので、

・税金が高くなる
・保険料が上がる


といった形で「社会的なコストが大きくなる」ことが分かります。

一見、自分だけの問題のように感じてしまいますが、目に見えない部分で、自分以外の人にも迷惑をかけてしまうことが分かると思います。


さらに、後遺症を残すような大けがをしてしまった場合、

・政府からの保障

を受けて生活しなくてはならないこともあり、

シートベルト未着用でケガをした人の生活を"社会全体"でサポートする

ことになる可能性があります。


「誰にも迷惑をかけていないでしょ?」という主張は、一見、筋がとおった理屈のように感じますが、社会全体のコストが上がってしまうという点を無視した、利己的な主張であることが分かります。


自分自身の安全のために着用するのはもちろんですが、人に迷惑をかけないためにも、シートベルトはしっかりと着用するべきと考えられますね☆




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参考リンク

JAF [海外のシートベルト着用・チャイルドシート使用義務]
http://www.jaf.or.jp/inter/sign/seatbelt.htm

kotobank.jp [嫌煙権]
http://kotobank.jp/word/%E5%AB%8C%E7%85%99%E6%A8%A9

Wikipedia [嫌煙権訴訟]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AB%8C%E7%85%99%E6%A8%A9%E8%A8%B4%E8%A8%9F

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Posted at 2013/08/26 01:01:45 | コメント(9) | トラックバック(0) | コラム | イベント・キャンペーン