ロックナットというと、ホイールの盗難防止のためのアイテムとして知られていますが、
ホイールロックなどと呼ぶこともあると思います。
実は、今日のテーマのロックナットは、盗難防止のためのロックナットではなく
「ゆるみ防止」の機能があるロックナットについての内容になります。
このような「緩むことのないナット(ロックナット)」を製造している日本の企業に、
ハードロック工業があります。
このロックナットは、古来の木造建築に使われていた
クサビの原理をナットに応用したものになります。
図のように
ナットとクサビを一体化させた構造のようになっていて、2つのナットを締めこむことで振動や衝撃に対して非常に強いナットが完成しました。
ナットが振動に対してどれだけ緩まずにいられるか?という試験が米国航空規格に規定されていますが、ナットなどにとっては最も過酷な試験といわれています。
通常のナットなどでは、この試験では数十秒で緩みが生じてしまいますが、ハードロック工業のナットは1時間以上経過しても緩まずにいられるそうです。
このクサビの機構を応用したロックナットの性能が評価され、絶対に緩んでは困る場所で使用されるようになりました。
国内では、2010年に完成した羽田空港の新滑走路や瀬戸大橋・明石海峡大橋などにも使用されています。
なかでも、明石海峡大橋の主塔の基礎と固定されているナットは長さが7メートル・重さが3トンという巨大なボルトなどが使用されているそうです。
ボルトやナットなどは非常に身近なアイテムですが、非常に奥が深いものだと思います。
※上記の記述で、「ナットは長さが7メートル・・・」とある記述は、「ボルトは・・・」の記載ミスとなっています。
社団法人 日本ねじ工業協会(http://www.fij.or.jp/fastener/technlogy.html)のサイトを参考にして、記事が作成されています。
ハードロック工業株式会社
http://www.hardlock.co.jp/hl/
Wikipedia[クサビ]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8F%E3%81%95%E3%81%B3
Posted at 2012/09/09 01:01:56 | |
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