交通違反の取り締まりのときなど、

「自分は、違反をしていない！」

と主張したい場合があります。



このようなときに、あまりにしつこく主張しすぎてしまったり、大声を出してしまったりすると、

公務執行妨害の罪で逮捕される？

という不安が少なからずあります。


そこで、本日は、「公務執行妨害」がどのような犯罪なのかについて紹介したいと思います。



■公務執行妨害罪とは？

"公務執行妨害"という表現をよく聞きますが、

「公務の執行を妨害する罪」

警察官などは、「公妨(こうぼう)」と呼んでいる犯罪です。


この犯罪は、刑法95条1項に規定されるもので、条文は、次のようになります。





「公務執行妨害罪がなぜあるのか？」「何を守ろうとしているのか？」という保護法益は、

公務員によって執行される「公務」

で、公務員を保護する目的のものではありません。



■犯罪が成立する条件は？

公務執行妨害罪が成立する場合は、

「公務員に対し」
「職務を執行するにあたり」…仕事中、仕事をしようとしているときなど
「暴行または脅迫をした場合」

です。


よくあるのは、

(1) 酔った勢いで暴力を振るう
(2) 怒ってパトカーを蹴る

などです。


そのため、交通違反の取締りを受け、納得できない場合に反論する場合は、

一旦停止しただろ！

と胸ぐらをつかむのではなく、

落ち着いて話しをする

ことで、公務執行妨害となる危険を回避できます。



■暴行があっても犯罪が成立しない場合

職務中の警察官などに対し、暴力行為があった場合でも公務執行妨害罪が成立しない場合があります。

それは、

公務員の行う職務が適法でない場合

です。


つまり、もし職務質問の際に警察官による違法な暴力行為があった場合、それに抵抗した場合であっても、公務執行妨害罪にはなりません。



■公務執行妨害罪も厳罰化？

公務執行妨害罪は、平成18年度以前は、

3年以下の懲役刑または禁固刑

だけでした。それが改正され、

3年以下の懲役刑もしくは禁固刑、または50万円以下の罰金刑

となりました。


罰金刑が加わった背景は分かりませんが、これまで不起訴処分となっていた事件も起訴できるようになった、という意味で厳罰化になったという意見もあります。



通常、被害者のある刑事事件の場合は、被害者との示談が成立しているかどうかが、量刑に大きな影響を与えると言われています。


警察官などは、「絶対に示談に応じない方針！」とされているようです。
刑事事件の場合は、起訴されてしまうと99.9％が有罪となりますので、十分注意する必要があります。




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【参考リンク】

刑法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html

Wikipedia [公務の執行を妨害する罪]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%8B%99%E3%81%AE%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E3%82%92%E5%A6%A8%E5%AE%B3%E3%81%99%E3%82%8B%E7%BD%AA

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