自動車部品のちょっとした補修だけでなく、日常生活でも大いに活躍しているのが
上の図のような「瞬間接着剤」です。
瞬間接着剤は、硬化するまでの時間が早く、比較的、強力な接着強度が得られるので、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、あの透明な液体が
「どのような成分でできているのか?」
「何に反応して硬化しているのか?」
と考えてみると、意外と分からないまま使用していることが多いと思います。
本日は、瞬間接着剤の基本的な知識についてご紹介します。
瞬間接着剤は、シアノアクリレート(cyanoacrylate)という有機化合物を主成分に作られています。
シアノアクリレートを使用した接着剤は、1950年代後半に、アメリカの
イーストマン・コダック社が商品化したのが始まりですが、その大きな特徴は、
水
と反応して硬化することです。
つまり、瞬間接着剤は、空気中の
「水分」と反応して硬化させるタイプの接着剤であるということができます。
シアノアクリレートの化学式は上のようになりますが、空気中の水分と反応すると、いくつかの反応を経て
このような複雑な構造に変化します。
瞬間接着剤を保管しておくと、あっという間に固まってしまい、次に使うときに使用できないことがありますが、これは、空気中の「水分」と反応してしまったことが原因になります。
また、瞬間接着剤は、指と指をも接着させてしまうことからも分かるように、医療用の接着剤にも活用されているものになります。
(注:市販されている瞬間接着剤とは、若干成分が異なります)
瞬間接着剤というと、
「わずか1滴で重いものを持ち上げる!」
という印象があるかもしれません。
気軽に接着させることができ、さらに、十分な強度が得られるのが瞬間接着剤の魅力の1つです。
接着剤の強度は、
引張せん断接着強度
という指標があり、市販されている瞬間接着剤は
最大で15N/mm2
程度と言われています。
この大きさがどの程度のものかというと、1cm2に接着して147kgの引っ張りに耐えられる強度です。
接着剤の中には、アクリル系やエポキシ系のより接着強度が得られるものもありますが、気軽に利用できることから、瞬間接着剤が選ばれることも多いのではないでしょうか。
瞬間接着剤の容器に「指紋」が付いてしまうことがありますが、これは、指紋に含まれる「水分」と反応した結果です。
この指紋に含まれる水分とシアノアクリレートを反応させることで、指紋の採取ができる場合があります。
事件が発生したときに指紋鑑定が行われることがありますが、その鑑定方法の1つに
「シアノ法」というものがあります。
瞬間接着剤はツンとした臭いがしますが、その気化したシアノアクリレートと指紋に含まれる水分を反応させる鑑定法が「シアノ法」というものです。
上の動画のように家庭でも実験することができますが、気化したシアノアクリレートを吸いこまないように気をつけてください。
瞬間接着剤には、このような特徴があり、大変重宝するものですが、
「衝撃」と「熱」
に対しては弱いものです。
DIYやメンテナンスで利用するときは、衝撃が発生する場所や熱くなるような部分以外で利用することをおすすめします。
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SAN-EI TECH [接着剤の種類]
http://www.san-ei-tech.co.jp/webmagazine/backnumber/omoshirotasukebune/2.html#1
法科学鑑定研究所
http://www.e-kantei.org/shimon/013.htm
Wikipedia [瞬間接着剤]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9E%AC%E9%96%93%E6%8E%A5%E7%9D%80%E5%89%A4
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Posted at 2014/02/08 01:01:03