2013年03月27日
交通事故の損害賠償請求から逃げれるか?
交通事故の損害賠償請求から逃げれるか?


交通事故が発生した場合、被害者は加害者(あるいは保険会社)に対して損害賠償請求をします。



加害者が請求を受けるのは、医療費・付添看護費・通院交通費などの出費をともなう"積極損害"と、休業損害や後遺障害の逸失利益など、得られるはずだったお金が得られなくなる性質の"消極損害"、さらに、精神的な苦痛に対して支払われる"慰謝料"などになり、高額な請求を受けることも珍しいことではありません。

そのような「もしも」に備え、自賠責保険だけでなく「任意保険」にも加入していると思います。


先日、任意保険に未加入の"ある人"と会話をしていて気になったのが、

「まぁ、いざとなったら自己破産だな…」

のひと言でした。





今日は、交通事故の加害者となり、「支払いができないことを理由に、自己破産できるか?」というテーマで紹介したいと思います。


■自己破産とは?



まず、多くの方にとって、あまりイメージの良くない自己破産について説明します。

自己破産は、「借金の返済」などのような債務の履行が不能となった場合に認められる手続きになり、債務者の管轄する地方裁判所に「自己破産申立」をすることで手続きが開始されます。

手続きの大まかな流れは、

(1)自己破産申立・裁判官との面接
(2)破産手続開始決定が出される
(3)住宅などの処分する財産がない場合は、同時廃止決定
(4)裁判官との面接(審尋:しんじん)
(5)免責許可決定


となり、(5)の免責(責任を免れる)許可決定で、借金などの支払いの責任が法的に無くなることになります。


■自己破産は、誰でも認められるのか?

自己破産の申立をして、裁判所から免責許可を受けた場合、原則、すべての借金について返済を免れることになりますので、借金をしている人にはメリットが大きく、債権者には影響の大きな手続きということができます。



そのため、借金の返済が不能となった場合に、全ての人が認められるのではなく、

裁判官「この人には、認めちゃダメでしょう!」

という人以外の人について、免責許可を出しています。そのために、(4)で裁判官と面接します。


では、「自己破産が認められない人がどのような人なのか?」については、破産法252条1項に規定されていますが、代表的なものとして、

・ギャンブルや浪費で借金を大幅に増やした(財産を減らした)
・返済する気のない借金をした(自己破産前の最後の借金など)
・クレジットカードの現金化をした
・自己破産前に特定の人にだけ、借金の返済をした(へんぱ弁済と言います)


などになります。


しかし、これらの免責不許可事由は、厳密なものではなく、本人が深く反省している場合などは、認められることもあります。

本当に問題となるのは、自己破産ができない場合ですが、「(2)破産手続開始決定が出される」の時点で申立てた人の身分は「破産者」になり、「(5)免責許可決定」の時点で破産者ではなくなります(復権すると言います)。

自己破産が認められない場合、(5)の復権がないので、ずっと「破産者」の身分のまま市区町村の破産者名簿に掲載され続けることになります(第三者が見れるものではありませんが)。



■「原則、すべての債務が免責される」の意味について

交通事故の話しに戻します。

ここまでの説明で、自己破産による国の救済手続きについて、何となく分かっていただけたと思います。

自己破産の手続きで「免責許可」を受けると『原則』全ての借金がなくなります。

「原則」と強調していることから分かるように、「例外」もあります。



自己破産でも消えない借金は、主に、次のものになります。

・税金、国民健康保険など
・個人事業主の場合の従業員の給料など
・養育費や婚姻費用分担金
・手続の中で隠していた借金


さらに…

・故意または重大な過失により加えた、人の命・身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
・罰金等の請求権


も消えません。


つまり、交通事故の加害者になったときに、

「まぁ、いざとなったら自己破産だな…」

というのは通らず、自己破産が認められた場合でも被害者からの請求を免れることはできません。


同様に、交通違反などの「罰金」についても免責されませんので、注意してください。



■もう少し、大変な話しの続きです。

では、自己破産をしても消えない借金があり、返済するだけの資力がない場合に、

「その人は、どうなってしまうの???」

と心配になると思います。


借金などの債務には、「債務名義」というものがある場合があります。

債務名義は、債権者がわざわざ訴訟を提起して財産などの差押えをしなくても済むようにするための、

「確かに請求する権利がありますね!」ということを公的に証明した文書

のことを言います。


債務名義は、「裁判の判決書」の他「公正証書」による場合もあり、交通事故の被害者が代理人弁護士を付けた場合は、必ず債務名義を残すことが予想されます。

そして、債務名義があれば、

・約束を守らなかったら、すぐに給与差押えなどができる

という状態になり、仕事をしても収入が得られなくなる状態になってしまいます。



もう少し大変な(悲惨な)状態も考えられますが、

・交通事故の加害者としての責任
・交通違反の罰金など


から逃れることはできませんので、

任意保険にも加入しておくようにしましょう!

と"ある人"にもお話ししました。


交通事故の相手方のためであることは勿論ですが、自分のためにもなりますので、任意保険には加入しておいた方が良いですね♪




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【参考リンク】

Wikipedia [破産]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%B4%E7%94%A3

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Posted at 2013/03/27 01:01:57

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