自動車に使用されているガラスは、一般的なフロートガラスとは異なる
強化ガラスと呼ばれるものが使用されています。
フロントガラスの場合は、その中でも
「合わせガラス」と呼ばれるもので、一般的な強化ガラスとは異なった割れ方をする特徴があります。
一般的な強化ガラスの場合は、
ガラスの一部が破損しただけで、全体が粉々になるような割れ方をする点に特徴があります。
これは、強化ガラスを製造するときに、通常の板ガラスを700度近くまで高温に熱し、その後、空気を吹き付けて急速に冷却させることで、ガラスの表面に
「圧縮応力」という力がかかっていることが理由となるそうです。
圧縮応力というと難しいですが、ガラスを破壊しようと力をかけたときに、その中心から周辺に伸びるような力のかかり方が
「引張応力」で、その反対の中心へ向かう力が
「圧縮応力」ということになります。
そのため、ガラス周辺の圧縮応力が破壊しようとする力に対抗することで、強化ガラスは、通常のガラスよりも3~6倍の衝撃に耐えられる性能があると言われています。
これに対して、フロントガラスは、飛び石などがはねたときに粉々になってしまうと非常に危険ですので、
ガラスとガラスの間に中間膜を設けた構造になっています。
この中間膜があるおかげで、割れが生じても破片が飛び散ることもなく、また、事故が発生したときでも衝撃を緩和してくれるなどのメリットがあります。
このように、フロントガラスは、
強化ガラスの「割れ方」をコントロールすることで安全性を高めたもの、と言うことが出来ると思います。
一般的には、強化ガラスへのイメージは
"強い(強度がある)"という点に注目してしまいますが、実は、
「強化ガラスの割れ方」がとても重要であることが分かります。
合わせガラスでない通常の強化ガラスは、学校や高層ビルなどのような、「破損したときに大きな破片となっては困る」場所に多く利用されています。
ガラスを考えるときに、
「どの程度の強度か?」という点だけでなく、
「どのような割れ方をするか?」という点にも注目すると面白いと思います。
※強化ガラスを割る実験動画がありましたので、参考に視聴してみて下さい。
日本板硝子 ガラスワンダーランド
http://glass-wonderland.jp/shurui/kyouka.html
賃貸管理クレーム日記
http://tintaikanri.livedoor.biz/archives/51624603.html
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Posted at 2012/11/17 01:02:00