
私たちが、自動車のメンテナンスや整備をするときには、ソケットレンチやメガネレンチを使用することが多くあります。
そして、安全上重要なボルトやナットを締め付けるときには、
「トルクレンチ」使用することを推奨されます。
トルクレンチを使用すると、自分の経験や勘に頼ることなく、正しい締め付けトルクで整備をすることができるようになります。
一般的には、トルクレンチで規定の締め付けトルクで締め付けることで
「安全は確保された!」と考えると思いますが、何事にも例外はあるようです。
ご存じの方もいるかもしれませんが、数年前、トラックやバスなどの大型車のホイールを固定しているボルトが折損してしまい、走行中に車輪が外れてしまう事故がありました。
締め付けトルクが強すぎたために、ホイールを固定するボルトが折れてしまう経験をしたことがある方もいるかもしれませんが、
強すぎても弱すぎても危険になってしまいますので注意しないといけません。
ここで、問題なのは国土交通省から具体的な数値(540~590N・m)によって締め付けトルクの指示がされていますが、
何度か脱着を繰り返しているホイールに対しては、このトルクでは弱すぎる!
と、一部で指摘されています。
(大型車には、このようなトルクレンチを使用します)
そのため、規則やルールなどには厳格に従う整備工場などでは、指示通りの弱いトルクで締め付けを行っているケースもあるようです。
重大な事故が発生してしまったら規制を強化する、という考えも理解できますが、自動車の整備に関しては
経験や勘も技術の一つになると思います。
規定の締め付けトルクで整備をすることはとても重要な事ですが、それと同時に、
「17mmのボルトはこのぐらいの力で・・・」
「規定のトルクは○○だけど、もう少し強めに・・・」
のような、経験や勘などもDIYでの作業で身に付けるようにしたほうが、安全面ではメリットが大きいような気もします。
車検などもそうですが、「事故やトラブルが発生したときの責任は自己責任で!」という方が、良いケースもあるのではないでしょうか?
追記
あっきぱぱ様より、貴重なご意見を頂きました。
おっしゃる通り、すべての規定トルクに疑いをもつ、あるいは自分の勘で…という事を意図したものではありません。
誤解させてしまいましたら、この場を借りてお詫びさせて下さい。
このようなケースもありますよ、という事と何かある度に規制が増えてしまうのは…という事で取り上げてみました。
今後は、ご指摘の通り、読み手にどう伝わるのか?に注意して、運営していきたいと思います。
国土交通省「大型車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故に係る調査検討会」の検討結果に基づく事故防止対策について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/09/091215_.html
JAMA「大型車のホイールナット締付けトルク一覧」
http://www.jama.or.jp/user/fall_off_wheel/fall_off_wheel_06.html
東日製作所(トルクレンチの画像をお借りしました)
http://tohnichi.jp/product/detail/187.html
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コラム | クルマ
Posted at 2012/08/23 01:11:01