FT-86コンセプトを自動車（FRスポーツ）ファンとともに育てるには

2012年春、FT-86コンセプトが生んだ２台のスポーツクーペが世界の路上を走り始めるはずです。

トヨタ86とスバルBRZ。

かつてのAE86カローラ・レビンとスプリンター・トレノのように、デビューから10年以上経ってもファンの心を掴み続けるクルマになってほしいと心底思います。

でも振り返ってみると、FT-86の元ネタであるAE86カローラ・レビンとスプリンター・トレノは、結構不幸なクルマだったと思うのです。

1983年の発売された時には、何度も書いてきましたが専門家と言われる人たちに酷評されました。

当時の価格で140万円～160万円ほどの車両価格は、若者に買えるはずもないクルマでした。

それも、エアコンやパワーステ、パワーウインドウですらメーカーオプションでした。

それらを全部装着すると、当時でも限りなく200万円のクルマで、諸経費込みで250万円のローンを組んでやっと買えるクルマだったのです。

だから、FT-86が目指す（標榜する）AE86カローラ・レビンとスプリンター・トレノは、決して若者のクルマではなかったのです。

本当に若者たちに受けたのは、FRスポーツとして生産を終えた1980年代後半になって、中古車で若者たちがAE86を所有するようになってからです。

やっと文化としてFRライトウエイトスポーツが認識された訳です。

ですので、今回のFT-86コンセプト（トヨタ86とスバルBRZ）も、素早くマーケットに供給すべきクルマに思えます。

そうやって若いクルマ好きを育てる、そのためには、毎年魅力的な新バージョンを発表し続け、買い換えを促進することです。

「MINI」のようなラインアップ展開があってもまたおもしろいかもしれません