>> ランサーエボリューション |
|
![]() |
ランサーエボリューションXは、ミッションのタイプとして5速のマニュアルミッションと6速TC-SSTがあります。 この「TC-SST(通称SST)」はゲトラグ製で奇数段のミッションと偶数段のミッションを二つ合わせたような構造で、それぞれにクラッチが付いておりコンピューターによって制御されています。 トルコン式のオートマチックと比べ、ダイレクト感がありスポーティーな走りをするのに向いています。 ノーマルのTC-SSTは、約400PSまで対応することが出来るといわれています。 まさに「走るためのセミオートマチック!」しかし、ランサーエボリューションX のTC-SST搭載車でスポーツ走行やサーキット走行などをするときなどは、要注意。 サーキットなどを数周アタックすると、エンジンチェックランプが点灯しエンジン回転数が上がらなくなってしまうのです。 問題は、このミッションに使われている専用オイルSSTオイルの温度管理。 エンジン回転数をあげてブーストをかけてサーキットや峠などを走るとなるとTC-SSTをマニュアル操作で頻繁にギヤチェンジをしたり急激な加速やエンジンブレーキを多用したりでかなりTC-SSTに負担が掛ることになります。 するとSSTオイルの温度がどんどん上昇します。 SSTオイルの油温が上がりすぎるとランサーエボリューションX のECUはセーフモードに制御を変え、いくらアクセルを踏んでも、2~3000回転ぐらいしかエンジンが回らないようにしてミッションを保護しようとします。 これがチェックランプ点灯の原因。 セーフモードに入らない状態でもSSTの油温が上がり気味になると、変速時にガクガクしたり、急にクラッチが繋がったり、ギヤが入らなかったりの状態になります。 この状態が意外にも、長時間渋滞にはまった時など日常でも発生する可能性が高いのです。 要はSSTオイルの温度上昇を抑えればいいのです。 どうしたら油温を下げられるのでしょうか。 ランサーエボリューションXは標準装備でSST用のオイルクーラーが助手席側フロントタイヤハウス前に付いています。 今までの常識ですとこのオイルクーラーのコアをもっと効率のよいコアに変更したり、コアを追加したりしますが今回はこれが通用しません。 なぜかというとこのオイルクーラーに送られるオイルの流量がかなり少ないのです。 いくら冷えるコアに変更したとしても冷やすオイル流量が少なければなかなか冷えません。 ということは別の経路で冷やさなければいけません。 そこでランサーエボリューションX標準装備のオイルクーラーとは別に新たにオイルクーラーを設置し、そのクーラー専用のオイルポンプでオイルを巡回させるという方法をとります。 このキットが複数の有名チューニングメーカーから発売されていますがかなり複雑で整備に自信のある方でないと難しいかもしれません。 SSTオイルも必要となるためコスト的にも覚悟が必要です。 |
|
純正パーツの取り外し・取り付けはメンテナンスDVD