ランサーエボリューションX　SSTオイルの交換

ランサーエボリューションXにはふたつのミッション設定があってひとつは、5速マニュアルミッション、そしてランサーエボリューションXの目玉と言ってもよい6速のツインクラッチSST（TC-SST）ミッションを選択する事が出来ます。

TC-SSTは、従来のトルクコンバータ式のATとは基本的に違いあくまでもマニュアルミッションと同等の構造で、電子制御されたふたつのクラッチを切り替えることによるツーペダルマニュアルミッションですが、今までのATと同じような取り扱いもできますし、マニュアルミッションの様なパワーロスの少ないダイレクトなシフトチェンジもできる画期的なミッションです。

TC-SST自体は三菱製ではなくドイツのゲトラグで作られているもので、国産車では初めて採用したのがランサーエボリューションXですが、ミッションの中身は三菱でもあまり把握されておらず、トラブルが起こるとほとんどの場合がミッションを交換して本国のゲトラグに送って対処するというブラックボックス的なミッションです。

普通のマニュアルミッション同様にディーラーでミッションオイル（SSTオイル）を交換してもらおうとするとまず最初にいわれるのが「換えなくても大丈夫」的な回答が返ってきます。

しかし、金属のギヤがかみ合って機能している以上SSTオイルの劣化や汚れなど当然ながら起こる訳ですし、ふたつあるクラッチは湿式ですのでオイルの影響も多少なりともあると思うので、交換しないで済むとは考えられません。

当然、汚れたSSTオイルよりもきれいなものの方が良いに決まっていますのである程度の距離を乗ったランサーエボリューションXやスポーツ走行をしている車は交換する事をお勧めします。

SSTオイルは一般のミッションオイルと違って専用のものを使いますが、純正のものはかなり高価（工賃含めて4～5万円くらい）ですので性能のよい社外品のものを選ぶとよいと思います。

交換方法もエンジンオイルや普通のミッションオイルのようにはいかず、3か所あるドレンボルトから抜いたオイルと同じ量の新しいSSTオイルをエアクリーナー下にある注入口から入れるという方法をとります。

一度でもSSTオイルの温度上昇ワーニングが表示された場合はすぐにでも交換した方が良いと思います。