アクアツーリング・パッケージの“吉”と“凶”

新型アクアの運動性能を飛躍的にアップさせるパッケージ・オプションが用意されています。ツーリング・パッケージです。

内容はアクアＧ／Ｓに標準装備される175／65R15タイヤ＋スチールホイールを16インチタイヤ＋アルミホイールにインチアップするセットオプションです。

その他にも細かな装備があり列記します。

幅が20mm広い195／50R16サイズのタイヤ、ヨコハマdBを16×6Jの専用アルミホイールに組み合わせています。

この高性能シューズを履きこなすために専用チューンの特別なサスペンションが投入されています。

エクステリアではルーフエンドに大型のルーフスポイラーを装着し、ヘッドライト回りにスモークエクステンションでメイクアップを施します。

このパッケージ・オプションの価格は11万250円です。

このツーリング・パッケージの効能は絶大で、“Ｌ”で心許なかったハンドリングが圧倒的に正確になり、Ｇ／Ｓに与えられているクイックレシオのステアリングを思う存分使いこなす気分になります。また、ダンピングが効いた乗り味となり、好感の持てるドライブフィールに変化します。

しかし、燃費は相当悪化します（20km／リットルを平気で割ります）。

加えて、このツーリング・パッケージには重大な弱点があります。

諸元表によるとアクアの最小回転半径はグレードを問わず4.8mとなっていますが、Ｇ／Ｓの項には注意を促すアスタリスクが添えられていて、欄外の小さな脚注には何と「ツーリングパッケージ（16インチタイヤ）をメーカーパッケージオプション装着した場合、5.7mとなります」と記載されています。

全長4m未満の小さなアクアの最小回転半径は、同社の３ナンバー大型ミニバン、エスティマと同じになってしまうのです。